仕事で、Excel上で並べ替える事のできるリストを作成して利用したい機会がでてきた。
その中の項目の名称のふりがなを抜き出して、隣に別項目として表示し、
その項目をあいうえお順(50音順)で並べ替えのできるリストを作成した。
その作成手順をまとめてみた。

▼ 完成したイメージ ▼
こんなリストを作成し、
項目「チェーン名・センター名称」に入力していくと、
項目「フリガナ」に、自動でふりがなが表示される。

Excel01

そして ふりがなを、あいうえお順(50音順)に並べ替え

Excel02

 

 
 

PHONETIC関数を利用してふりがなを表示する

Excel上でリストを作成。
そして、ふりがなを自動で表示する関数を挿入する。

利用する関数は、PHONETIC関数。
以下の書式になる。

次、操作手順。

項目「No.」、項目「フリガナ」、項目「チェーン名・センター名称」の3つを作成し、
項目「チェーン名・センター名称」に入力していく。
その時、項目「フリガナ」は、一旦空欄にしたままにしておく。

Excel03

項目「フリガナ」の始めの行にあたるセル「B2」をクリック。
そして、アイコンの「関数の挿入」をクリック。

Excel04

アイコンの「関数の挿入」をクリックすると、以下のウィンドウが開く。
「関数の挿入」のウィンドウから「関数の分類」をクリックし、
「関数の分類」の選択肢を開く。

Excel05

選択肢の中から「情報」を選択。

Excel06

「情報」の選択肢の中から「PHONETIC」を選択し、「OK」ボタンをクリック。

Excel07

セルの参照先指定のボタンをクリック。

Excel08

「関数の引数」の セルの参照先指定のウィンドウが表示された事を確認。

Excel09

①参照先のセルをクリック。
②次に「関数の引数」の セルの参照先指定のウィンドウの右側のアイコンをクリックし、
 参照先を決定。

Excel10

「関数の引数」(参照先のセルの番号)が決まったら「OK」ボタンをクリックして確定。

Excel11

項目「フリガナ」の始めの行にあたるセル「B2」に関数が埋め込まれ、
項目「チェーン名・センター名称」始めの行にあたるセル「C2」に対応する、
「ふりがな」が表示されるようになった。

Excel12

 
 

オートフィルを使って関数をコピーする

セル「C2」に対応する「ふりがな」をセル「B2」に表示したように、
セル「C3」から「C19」に対応する「ふりがな」を、
セル「B3」から「B19」に表示するようにしたい。
それを実現するため、セル「B2」に埋め込んだ関数を、
セル「B3」から「B19」までコピーを行う。

オートフィルを使って、作成した関数を一度に複数行にコピーする。

以下手順。

まず選択しているセル「B2」(関数が埋め込まれたセル)の右下にマウスポインタを移動し、
ポインタの形が黒い十字マークに変化する事を確認。

Excel13-1.fw

ポインタの形が黒い十字マークになっている事を確認し、
マウスボタンをクリックしたまま下方に移動(下方向にドラッグ)。
下方向にドラッグした事により関数がコピーされる(オートフィルの実行)。
オートフィルにより、関数がコピーされて、同時に以下の件が設定される。
関数の引数の中に設定した参照先のセル番号に対し、
行毎に対応したセル番号を自動で設定(相対参照で設定)される。
※相対参照とは
あるセルに入力した計算式を別のセルにコピーする時、コピーした位置(行や列)に応じて計算式内で参照しているセルの番地も変化するのが「相対参照」、変わらないのが「絶対参照」。
ちなみに絶対参照を指定する場合、セル番号の前に「$」をそれぞれ付ける。
例:$C$2、$A1、B$3。

Excel14b-1.fw

※補足:オートフィル実行後、右下に丸印で囲んだマークが現れる。
    マークをクリックすると、選択肢が現れて、オートフィルでのコピー方法を
    再選択する事ができる。
現れたマークをクリックすると…

Excel16

コピー方法の選択肢が現れる。

Excel17b

これで、セル「C2」から「C19」に対応する「ふりがな」を、
セル「B2」から「B19」に表示する事ができた。

Excel15b-1.fw

 
 

関数を複数組み合わせる(ネストする)

PHONETIC関数を利用する事により、ふりがなを表示する事ができたが
さらに表示方法を変更するため関数を複数組み合わせる。

関数を複数組み合わせる(ネストする)とは?

関数で計算するデータを指定する部分を「引数」と呼び、
関数は引数で指定されたデータに基づき計算し、結果をセルに表示。
セルに表示される計算結果を「戻り値」と呼ぶ。
関数は用途により、引数の内容や指定の順番が決められている(定義されている)。

関数を複数組み合わせる(ネストする)とは、関数の引数に別の関数を設定する事が可能で、
関数の引数に別の関数を設定する事により、関数単体では解決出来なかった問題を解決する事が出来る。
注意点として、メインの関数の引数にサブの関数を埋め込む時に、
メインの関数の引数のとサブの関数の戻り値のを同じにする必要がある。
つまり、メインの関数の引数の型に文字列が指定されている場合に、
埋め込む事が出来るサブの関数の戻り値の型は、文字列になっている必要がある。
※型とは
プログラミングにおけるデータ型(データがた、data type)あるいは単に型(かた、type)は、
値の種類を示し分類分けするラベルの事を指す。データタイプともいう。
型には、数値型、文字列型、ブーリアン型(真か偽)等ある。
※文字列とは
単語や文章のように文字が連なったものを指す。意味のない文字の羅列も、数字だけでも文字列だが、
エクセルでは数字だけの場合は数値という形式で処理される。

 
 

ふりがなを表示する際に表示文字数を限定する

関数を複数組み合わせて、ふりがなを表示する際に表示文字数を限定して
表示してみる。

対象のセルの中の漢字を参照して、ふりがなを表示するが、表示する際に
ふりがなの先頭から2文字分だけ抜き出して表示したい。

以下手順。2つの関数を組み合わせる。

そして、関数の計算結果。

関数を以下のように記入。

Excel19

そして、計算結果がこのように表示される。

Excel20

実際の操作手順について、2つの方法がある。
①直接、関数を入力する。
②アイコンの「関数の挿入」をクリックし、選択していく。

①直接、関数を入力する。

まず、ひとつ目のやり方。

最初、関数を入力するセルを選択。

Excel20-1

そして、選択したセルに、直接関数を入力。

Excel20-2

その後、オートフィルを実行し、
関数を他のセルにコピーしていく。

Excel21-12.fw

②アイコンの「関数の挿入」をクリックし、選択していく。

次、ふたつ目のやり方。

最初、関数を入力するセルを選択。

Excel21-1

そして、選択したセルに関数を入力する。
アイコンの「関数の挿入」をクリック。

Excel21-2.fw

アイコンの「関数の挿入」をクリックすると、
以下のウィンドウが開く。
①「関数名」の選択肢から「LEFT」を選択。
②「OK」ボタンをクリック。

Excel21-3.fw

アイコンの「関数の挿入」の右側のボックスに、
「LEFT」が挿入された事を確認(矢印部分)。
「関数の引数」のウィンドウから、
引数をふたつ分指定する必要があるが、
第一引数が選択されている事を確認。
※ボックス内にカーソルがある事を確認。

Excel21-4.fw

関数の「LEFT」の第一引数に、
さらに関数を挿入する。
次に左上のボックスの「▼」をクリック。

Excel21-5.fw

現れた選択肢の中から、
「PHONETIC」をクリック。

Excel21-6.fw

アイコンの「関数の挿入」の右側のボックスの
「LEFT」の引数に、
「PHONETIC」が挿入された(矢印部分)。
そして、「関数の引数」のウィンドウが、
「PHONETIC」の引数の入力に切り替わった。

Excel21-7.fw

「PHONETIC」の引数の設定をするため
参照先のセルをクリック。
選択後、「関数の引数」のウィンドウの引数に
選択したセル番号が反映される(矢印部分)。

Excel21-8.fw

関数の「LEFT」の第二引数を設定するため
アイコンの「関数の挿入」の右側のボックスの
「LEFT」の部分をクリック。
再度「LEFT」の引数の入力を行う。
「関数の引数」のウィンドウが、
「LEFT」の引数の入力に切り替わった。
「LEFT」の第一引数に、関数の
「PHONETIC」が設定されている(矢印部分)。

Excel21-9.fw

①「LEFT」の第二引数に数値を入力。
2文字だけ取り出したいので「2」を入力。
②これで入力が完了したので、
「OK」ボタンをクリック。

Excel21-10.fw

これで、
ふりがなを表示する際に表示文字数を限定する
関数が完成した。

Excel21-11.fw

その後、オートフィルを実行し、
関数を他のセルにコピーしていく。

Excel21-12.fw

 

 
 

空白の場合、代替えの表示を行う

セルに何も入力がなかった場合、「ーー」と表示するように関数を追加する。

そのために、IF関数を使って、条件判定を行う。
以下の書式になる。

論理式に、数式(比較演算子)を使う。
以下の数式(比較演算子)を利用して条件の判定を行う。

今回使用する論理式は、

“” は、文字列をあらわす記号で、
文字列として「あいうえお」を使う場合は、
“あいうえお” と記述する。
今回の場合の “” の意味は、文字の入っていない文字列を表し、
つまり、「空白」という意味になる。

「参照したセルの値 <> “”」の意味を直訳すると、
「参照したセルの値が空白ではない場合」となる。

●実際使用する関数を記述したものが以下になる。

上記は、ネスト(関数を複数組み合わせる)にネストを重ねて実現してみた。

意味は、論理式の部分が、参照したセルの値が空白ではない場合、
値が真の場合(空白でない場合)は
計算し(値からふりがなを取り出し、左から2文字だけ抜き出す)、結果を表示、
値が偽の場合(空白の場合)は「--」を表示する。

次に操作手順。

最初、関数を入力するセルを選択。

Excel20-1

選択したセルに、直接関数を入力。

Excel22.fw

その後、オートフィルを実行し、
関数を他のセルにコピーしていく。

Excel23.fw

 
 

仕上げに並べ替え操作する

並べ替え操作を行うため、データを表として扱う。
表に変換して、並べ替えをする 操作手順を行う。

項目に該当するセルを、すべて選択する。

Excel24.fw

次に、上部にあるリボンの中から、「データ」を選択する。

Excel25.fw

①「フィルター」のアイコンをクリック。
②選択したセルに▼マークが現れ、表にすることができた。

Excel26.fw

次に、「ふりがな」の並べ替えを行う。
項目「フリガナ」のセルの中の▼マークをクリック。

Excel27.fw

現れたプルダウンメニューから「昇順」をクリック。

Excel28.fw

項目「フリガナ」を基準にして、50音別に昇順で並べ替えを行った。

Excel29.fw

これで「Excel関数でふりがなを表示し、50音別に並べ替える」が無事完成した。

 
しかし…。

しかし、並んでいる「ふりがな」をみると、「ひらがな」だけでなく、記号も含まれている。

Excel30.fw

 
せっかくなので、「ふりがな」の中から記号を取り除いて、「ひらがな」だけにしたい。

次回は、抽出されるふりがなに半角文字・記号が含まれる場合、
取り除いた上で表示する作成手順をまとめてみる。